15年以上にわたり心理カウンセリングとパーソナルスタイリングサロンを運営してきた私は、様々なサロンでパーソナルカラー診断の導入支援や、接客改善コンサルティングも行っています。

ネイルサロンの接客でリピーターが3倍に!|心理カウンセラーが教える本音の引き出し方

その中で、

丁寧に接客しているつもりなのに、なかなかリピーターが増えない…

お客様の本当の要望がつかめず、満足していただけているか不安…

といった悩みを抱えるネイリストさんやネイルサロンオーナーさんがとても多いことに気づきました。

そこには、

「お客様の深層心理」への理解が不足している

という共通の課題があるんです。

ですから、単に接客のマナーを学ぶだけでは解決しないのが難しいところ。

でも、プロの心理カウンセラーが実践する「傾聴」と「観察」の技術を取り入れることで、お客様との信頼関係は大きく変化します。

ネイルサロンでお客様の本音が聞き出せない3つの原因

ネイルサロンのカウンセリングシートの誤った使い方

ネイルサロンの接客でリピーターが3倍に!|心理カウンセラーが教える本音の引き出し方

多くのサロンでは、カウンセリングシートを活用してお客様の要望を聞き取ろうとされています。これは、新人ネイリストさんでも一定の品質でカウンセリングができる有効な方法です。しかし、カウンセリングシートを埋めることばかり意識してしまうと、「シンプルがお好みですか?」「フレンチはいかがですか?」といった「はい・いいえ」で答えられる質問に頼りすぎてしまい、実はお客様の回答を狭い選択肢の中へと誘導してしまうことになるのです。

ネイルデザインを提案するのが早すぎる

また、お客様の言葉を聞いてすぐに「では、このデザインはいかがでしょうか?」と具体的な提案に入ってしまう傾向も見受けられます。真面目なネイリストさんほど、この傾向には陥りやすいんですよね・・・。

というのも、その背後には、「早く提案しなければ」という焦りや、「沈黙は避けたい」という不安があるから。「お客様に満足してもらうためには良い提案をしなければ」という気持ちからやってしまうことが多いのです。

お客様の好みを誤った方向に「察して」しまう

さらに、「シンプルにお願いします」という言葉を聞いただけでいろいろ推測して、「きっとお客様はナチュラルな雰囲気がお好みなのだろう」と違う方向に解釈してしまうことも。これは、ある程度経験を積んできたネイリストさんに多い印象です。

特に日本のサービス業全般において、「お客様のご要望を察することができてこそプロだ」という思い込みが蔓延していることが原因。あれこれお客様に聞くのはスマートではない、と勘違いさせられてしまっているんですよね。

でも、お客様の言葉を自分の経験や思い込みで解釈してしまうと、本来のご要望を見落としかねません。お客様だって、たくさん自分の話を聞いてくれるネイリストの方に信頼を寄せるものなんです。

心理カウンセリング技術を活用した効果的な聞き取り

ネイルサロンの接客でリピーターが3倍に!|心理カウンセラーが教える本音の引き出し方

これらの課題に対しては、私たち心理カウンセラーが実践している「傾聴」の技術が効果を発揮します。あるネイルサロンでこれを取り入れたところ、なんとリピート率が3倍に! とても効果のあるテクニックです。

カウンセリングシート以外のオープンクエスチョンも活用して

カウンセリングシートを元にした質問は、「はい・いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンになりがちです。クローズドクエスチョンとは、答えが限定される質問のこと。お客様にとって回答が簡単なので効率的に情報を集められる反面、お客様の選択肢を狭めてしまい、本来の要望とは異なる方向に誘導してしまう危険性があります。

ですから特に初回のカウンセリングの際には、心理カウンセラーはクローズドクエスチョンばかり使わないように特に注意しています。

ではどんな風に質問をすればいいのでしょう?

「普段どんな時にネイルを楽しまれていますか?」
「お手元を見られる機会が多い方ですか?」


といった、お客様が自由に答えられる質問 = オープンクエスチョン を活用するんです。こうすることで、お客様からの自由な発言を促進できて、ライフスタイルや価値観までより深く理解できるようになります。

ネイルデザイン提案の前にあと2回の質問を

次に、一つの返答に対して深掘りの質問を重ねていきます。例えば「職場ではシンプルにしないといけないんです」という言葉を聞いたら、「普段はどんなネイルがお好みですか?」と質問を重ねます。そうすることで「実は休日用に華やかなデザインにも挑戦してみたい」といった新たなニーズが見えてくることも。

私がコンサルティングさせて頂いているネイルサロンでは「提案がしたくなったら、もう2往復の会話を」とお伝えしています。そうすることで、思わぬ情報が出てきて、うまく提案の軌道修正ができることも多々あるんです。

言葉だけで察すると、お客様の無意識のニーズを拾い上げられない

さらに、言葉だけでなく、カタログを見る際の表情の変化や、特定のデザインに目が留まる様子など、非言語コミュニケーションにも注目します。「この部分、気になりますか?」と声をかけることで、言葉にされていない好みや迷いを丁寧に拾い上げることができます。

ネイルサロンのリピート率向上の鍵は、お客様の深い理解

せっかくネイリストとして高い技術を持っていても、お客様のニーズが正確にくみ取れないと、その技術を喜ばれる形で提供することができなくなってしまいます。ニーズさえわかれば、ご満足いただける施術をご提供できるのに・・・・・・それってとてももったいないことですよね。

ここまでご紹介してきた心理カウンセリングの手法は、すぐに実践できるものばかり。ぜひこれらのテクニックを、あなたの素晴らしいネイルの技術を届けるためにフル活用して下さい!

そして、さらに深く心理カウンセリングを学ぶことで、お客様との信頼関係はより強固なものに。

お客様の潜在的なニーズを引き出せるようになることで、自然とホームケア商品のご提案もスムーズになったり、お客様からの口コミでのご紹介も増えていきます。実際に、私の講座を受講されたサロンでは、リピート率が3倍に向上しただけでなく、客単価も1.5倍に。スタッフ全員で実践することで、サロン全体の成長へとつながっています。

私が講師を務める「サロンコミュニケーション講座」では、これまで様々なネイルサロンにご提供してきたコンサルティングの内容をぎゅっと凝縮。2ヶ月間のカリキュラムで、あなたのサロンに合わせた接客改革を実現します。